南会津の温泉に行ってきました。浅草から東武・野岩鉄道を乗り継いで会津高原尾瀬口駅に出ました。
浅草駅を出て、スカイツリーの下をくぐり、東京下町を抜け、郊外のベットタウンを過ぎ、利根川を渡って、平らな関東平野の田園をひた走り、いつしか山あいに入ると、谷あいを縫うように走り、渓谷の鉄橋を渡り、トンネルを抜けて、ぽかっとした山里の駅に着きました。なんとものどかなぽかっとした田舎の山里です。福島県南会津郡、浅草から3時間足らず、ここはもう東北地方なのです。
東北というと、寒村というイメージがありますが、ここにはありませんでした。関東側の鬼怒川や湯西川よりもずっと暮らしやすくて豊な感じの山里です。温泉は気持ちよかったし、マグロの刺身など出ない宿の食事はおいしかった。
「東北=貧しい」というイメージがありませんか? 150年ほど前の幕末、戊辰戦争は薩長連合対奥羽列藩同盟の内戦でした。天皇を担いだ薩長連合は官軍、奥羽列藩同盟は賊軍となりました。それ以来、奥羽(東北)は薩長(西南)から貶められ、明治政府の政策で貧しくなっていった。そして、昭和生まれの私も「東北=貧しい」と思い込んでいました。
青森の下北、田沢湖、岩手の大野、宮古、宮城の仙台、山形の長井、福島の須賀川、猪苗代、双葉などなど旅した東北を思い返してみると、「貧しい」風景はあっただろうか… 南会津は静かで豊な山里でした。
------------------------------------------------- このページは当社ソフト「四方山」で作成(No.7参照)
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