我らかわら版
前の記事
「富士見の謎」の不思議
一覧
爆弾低気圧と原発放射性物質
次の記事




杉浦日向子「一日江戸人」から




お便りはこちらへ
No.25 - 2013-02-04


今年の恵方は南南東?


 今年の恵方は「南南東」とイオンなど商業施設やセブンアイのコンピニはメディアで大宣伝。街のスーパーやパン屋さんまで「恵方は南南東」と合唱してました。つい何年か前から上方(かみがた)から下ってきた恵方巻きを売らんがためでしょう。

 お正月に今年の恵方を調べました、インターネットで。「丙」とありました。初詣は恵方にある神社に詣でようと、散歩がてらにプラプラと出掛け、恵方にあたるであろう小さな地蔵堂を見つけ、お参りいたしました。お賽銭もはずみました。こんなことを思い立ったのは杉浦日向子の「一日江戸人」を読んでしまったからでした。

 本のカットを見ると「丙」は真南の午の西隣、「ああ南南東か」と早とちり。江戸は24方位ではありませんか。

 真北から子・癸・丑・艮・寅・甲・卯・乙・辰・巽・巳・丙・午・丁・未・坤・申・庚・酉・辛・戌・乾・亥・壬(ね・みずのと・うし・うしとら・とら・きのえ・う・きのと・たつ・たつみ・み・ひのえ・うま・ひのと・ひつじ・ひつじさる・さる・かのえ・とり・かのと・いぬ・いぬい・い・みずのえ)

 時計の文字盤にのせると24方位ですから1方位30分ぶんの短針の位置です。「丙」は5時30分の短針の方向になります。南南東は16方位ですから、3時と6時の間の半分の半分で5時15分。今年の恵方は南南東ではありません。「南南東よりちょいと南向き」ぐらいのことを言ってほしいですね。特にテレビ・ラジオ・新聞・雑誌・ネットで大宣伝する一流企業さんには。ちょいと安直すぎません?

 ところで、今年の恵方って誰がどのように決めるのでしょうか? すみません、調べてません。そして、恵方巻きの節分2月3日は旧暦の十二月二十三日でまだ去年です。「まだ去年」は閏三月を挟んで13ヶ月で立春の前日の節分は2回あったのです。今年の恵方の今年はまだ去年? よくわかりません。

 ついでに立春になると「暦の上では春ですが…」とマスコミのアナウンサーは仰ってますが、旧暦ではまだ十二月で冬です。

 立春は暦ではありません、節気です。節気は太陽の位置で決定しますから、太陽暦では立春は2月3日と決まっています。旧暦は月の位置に太陽の位置を勘案したもの(太陰太陽暦)ですので、節気の日付は毎年違います。旧暦では一月から春です。今年は2月10日が旧暦一月一日。ここから暦の上では春です。
 
 マスコミのアナウンサー、キャスター、気象予報士、原稿を書く放送作家のみなさん、暦と節気のことはご存知ですよね。旧暦一月一日はおとなりでは「春節」。そのニュースを報道しているのですから。





前の記事
「富士見の謎」の不思議
一覧
爆弾低気圧と原発放射性物質
次の記事