日曜の午後、陽だまりを見つけながら街を歩いていると、古い車を見つけた。
ニッサン・グロリア。プリンスかな? 私が子どもの頃のクルマだ。車庫におさまっているが、まだ走るのだろうか? アメ車を意識したデザインで、子どもの頃には馴染みがないクルマだったから、ふうんとながめて通り過ぎた。しばらく歩いてたら、もう1台発見。
ダイハツ・ミゼット! 小さな商店街の家の中に停まっている。私は昭和30年代にタイムスリップしたのだろうか? あたりを見回してしまった。
私の親は電器屋でした。となりが八百屋はダイハツ・オート三輪、ウチはダイハツ・ミゼットのライバル、マツダ・K360でした。この軽三輪車、子ども心にけっこう自慢でした。テレビや冷蔵庫、洗濯機の配達に活躍し、成田山詣でにもいきました。
ある日、親父の運転で配達の帰り、ちょっと広い交差点で信号待ち。青になって、ブーと走り出したとたん、ノロノロと這うように交差点を渡ったところで停車。
アクセルを踏み込んだときに、アクセルを戻すスプリングが外れたのです。運転していた親父はとっさにクラッチをきって、惰性だけで移動させたのですが、その間エンジンはブーブー唸りっぱなし。停車しエンジンを切ってからスプリングを嵌めなおしました。そして何事もなかったのように運転を再開。
私がクルマを運転するようになってから、オートマ車はなるべく避けています。マイカーもマニュアル車でした。いざという時にクラッチを切れないと思うと怖いからです。
コンピュータ制御のクルマって安全なんだろうか? プログラムは大丈夫か? 神話になっていないだろうか? とまだまだ不信をぬぐっていません。
ドライバーとメカニックとで徹底して作り上げるコンピュータ制御のF1マシンは危険が少ないでしょう、そのサーキットで、そのドライバーが運転し、そのメカニック達がチェックしているなら。
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