ホコリ高き あの3・11の福島原子力発電所の事故の後、節電が呼びかけられ、マイクロソフトをはじめ、インターネットでは節電設定の案内やソフトのサービスありました。でも、そんな設定も見つかりません。もう一度電源を入れると、今度は30分ももたずに電源が落ちました。原因はパソコンやウィンドウズの設定では無いようです。 ノートパソコンの電池や増設メモリは差込み式です。差込みが不十分ですと、パソコンは不安定な動作をします。そこでしっかりと差込みしなおしました。が、30分もしないうちに電源が落ちます。さて・・・ 「パソコンがちょいと熱いんじゃないか?」とたまたま打合せに来ていた同業者が気付きました。見ると吸気口がホコリがつまっていましたので、きれいに取り除きました。すると今度は電源が落ちません。 ご存知のようにパソコン内部はもの凄い熱を発生します。CPUという計算器にあたる部品が熱を出すのです。熱くなり過ぎるとCPUは暴走してめちゃめちゃな計算をします。それで自動的に電源を落とす機能がついているのです。 吸気口の内側に扇風機が付いていて、外からの風を送り込んで、CPUを冷やしています。ですが、吸気口にホコリがつまってしまえば、中のファンがいくら頑張っても風が入ってきません。CPUはどんどん熱くなって電源が落ちた、ということでした。 熱くなったら画面にメッセージを出したら? と思うのですが、暴走してしまいますと画面にまともな表示を出せませんから、メッセージは読めません。そこで、悲しいかな黙って電源が切れるのです。 原因は福島の原発と似ていますね。地震で送電塔が倒れて冷却装置の電源が断たれ、津波で非常電源装置も壊れ、原子炉が冷やせなくなって、壊れました。あげく水素爆発しました。もうすぐ事故から6年ですが、今も壊れた原発を冷却装置をつかって冷やし続けています。たぶんあと何十年も冷やし続けるのでしょうね。 パソコンは原発と違って、電源が断たれたCPUは熱を出し続けませんから、冷却の必要もありません。もちろん爆発もしません。冷えてしまえば、電源を入れなおせば正常に動きます。 相談者のパソコンは吸気口のホコリを取り去ったので、1時間30分でダウンすることはないでしょう。今後もこんな相談が来るだろうと、掃除機に装着する小型ノズルと空気のスプレー缶を用意しました。相談者が持ち込むパソコンは必ずお掃除しています。 ピーピーと鳴くばかりで当社のデスクトップ型パソコンが立ち上がりません。あわてて吸気口をお掃除したのですが、ピーピーのまま。接点不良ですね。カバーを開けて、メモリーなどの差込み部品を外して接点復活剤なる溶液をスプレーできれいにして、差込み直しました。パソコンはご機嫌よく立ち上がりました。 パソコンをゆすったりして振動を与えたから接点不良をおこしたのではありません。差込み部分の金属に錆が生じたからです。電気を通しているときは、接触部分の電気抵抗で熱が出て熱くなり、電気を切ると冷える。熱する冷やすのくり返しで錆が出てくるのだそうです。熱の所為だったのですね。 電気屋の小倅だったころ、店先で親がやっているラジオの修理のおぼろげな記憶… まずラジオを引っ叩きます。それから5、6本の真空管を1本ずつはずしては差し込みなおします。するとラジオがよみがえりました。今のパソコンも昔の真空管ラジオと変わりませんねぇ。ホコリを払って、差込み部分の接触を良くする とはいえ、真空管ラジオに比べればパソコンの配線は緻密です。差込み部分はとても小さいなピンが何十と並んでいます。緻密で小さいだけにホコリや錆の影響がすぐ出るでしょう。しかし、緻密で小さいだけに引っ叩いたたぐらいでは正常に帰しません。 パソコンのお手入れは、吸気口のお掃除も忘れずに。パソコンもしょせん機械ですから。
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