えー・あい とはいえ、オセロやチェスではとっくにコンピュータに勝てなくなっているし、囲碁でも世界一のプロがコンピュータに負けたとか。そのほか、やれコンピュータの書いた小説が入選したの、コンピュータが新聞記事を書くから記者は失業するだの、はたまた米大統領候補が大統領になったらどんな発言をするかをコンピュータで予測したのと、何かとコンピュータの人工知能(AI)というものが話題になっています。 パソコンのカナ漢字変換の「学習機能」は、かわいいAIです。自分の文章を書いていると自分の言葉遣いを学習してくれます。ですから他人の文章の入力で他人の言葉遣いになってしまうのが残念です。とはいえ、かわいいすぎて憶えがよろしくないと思いません? “金融期間”なんて変換ミスはたびたび。 携帯電話の「予測変換」はなかなかだなと思いました。指で押すキーが0〜9の数字しかありませんから面白い工夫なのです。そして予測変換を作ったシステムエンジニアやプログラマのセンスが顕わにでます。K社の憶えは悪いし、憶えたのかなと思っていたら忘れている。文字がなかなか出てこないのでイライラしているうちに書こうと思っていた文章をわすれることもしばしば。作った携帯電話会社のセンスの問題ですかね。T社のはさっさと出てくるので、買い換えるならT社にしようと決めていました。昨年、買い換えに行ったらスマホばっかりで、携帯電話はK社のものしか売っていませんでした。がっかり。 スマホやタブレットのカナ漢字変換はどうでしょう。どちらも予測変換はついています。スマホをつかっている社員の様子では、ほとんどストレスはなさそうです。会社のタブレットは画面にキーボードが出てきますのでパソコンと同じふうに入力でき、大きめ画面で文字の確認もしやすいです。携帯電話よりも使いやすいのは、カナ漢字変換ソフトの良し悪しもありますが、タブレットのハードウェアの能力が携帯電話に比べてはるかに勝っているから出来るわざです。 人工知能はデータの蓄積と取り出しがキモです。どんどんデータを蓄積して、すばやく取り出すというワザです。蓄積はコンピュータの記憶機能、すばやく取り出すのは計算機能です。 将棋の人工知能は、まず数ある定跡をデータ化して蓄積しておきます。対局では人間がうった手に対処すべく、データを調べ、何十何百先の手まで予測(シミュレーション)し、最善の手を指すのでしょう。囲碁ではコンピュータ同士で対戦させて定石のデータを蓄え、人間が発見していない定石までデータ化していたとか。プロ棋士対コンピュータ戦はコンピュータにどれだけの定跡のデータを格納できるか、ひとつの手を指すのにどれだけの時間がかけられるか、がキモです。対戦のレギュレーション(規則・制限)があるからです。その中でのゲームですからコンピュータが勝つとは限りません。 パソコンで記憶を担当するのはメモリーという部品です。スピードはとてつもなく速いので取り出しには力を発揮しますが、電気がないと記憶を失うし、少ししか記憶できません。大量にデータを記憶するのはスピードは遅いものの、記憶を失わないハードディスクです。それでも膨大なデータを蓄積するなら何台ものハードディスクがいるでしょう。 人間と対話して、どんな質問にも答えるという小型の人工知能ロボットのことを耳にしました。どんな質問となれば蓄積しておくデータはとても膨大ですね。そのうえ小型。どんな記憶装置を使っているのかと思いきや、コンピュータのもうひとつの機能、通信を使っているのです。ロボットはインターネットに繋がっていて、質問に対してインターネットにあるウィキペディアとかの辞典サイトを調べて答えをみつけるという仕掛けでした。ロボット自体にはデータは無いのです。知能はインターネット頼りというわけです。 とはいえ、人間のしゃべる言葉をマイクで拾って解析して質問事項を識別する、インターネットで見つけた答えの文章を話し言葉にしてスピーカーから流す、こちらの人工知能のほうも大変でしょう。人間の言葉は人によって千差万別です。私の東京下町の言葉づかいを分ってくれるでしょうか?
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