ビックリ・データ このデータ表は厚生労働省が発表しています。各自治体に住民が提出した出生届と死亡届を集計したものです。単純な集計です。出生届は生年ごとに、死亡届は没年と年齢を数えるだけです(性別は分けて)。氏名とか住所、死亡原因などの個人データは不要です。 とはいえ集計作業は大変でしょうねぇ。0〜110歳の方の出生届は2億件を超え、死亡届も1億件ちかくあると思います。ビック・データにあたるでしょう。それが数千の自治体に散らばっているのだから大変ですね。 保険会社はこのデータ表を使って生命保険や年金保険の保険料(掛金)を計算しています。ビッグ・データの活用ですね。と言うよりも頼っています。その昔、保険関係のソフトを担当したとき、生命表なるデータから掛金という情報が作られることにビックリしました。そして「保険は損しない商売だなぁ」としきりに感心したものです。そのうえ厚労省のホームページから簡単にタダで手に入ります。ますます美味しいですねぇ。 最近、歩数計を身につけて「今日は歩いたなあ」「もっと歩かにゃ」とか楽しんでいます。小さな歩数計は1週間分しかデータを記録してくれません。毎日の歩数をパソコンに打ち込んで、体重や体脂肪率と一緒にグラフにしてみようかと思っています。以前、健康診断で「歩くように」とすすめられたこともあるので、グラフを印刷して健康診断に持って行こうかしらん… とある健康機器を開発したベンチャー・メーカーのウリは、計測データをスマホに転送して記録するので、スマホのアプリでグラフが見られるというものです。な〜るほど、数値を打ち込む手間が省けて便利だな、と感心しかけたのですが、スマホ??? スマホのアプリは計測データをメーカーに転送するのではないか? それを貯め込もうとしているんではないか? 図星でした。メーカーは商品発表会で「ビッグ・データが欲しいんです、そっちのほうが儲かるから」と正直に語っていました。 どんなデータであれ、データや分析結果を見るのは人間です。理系の科学者の研究発表が問題になりました。たくさんの観察データと実験データを採ったのでしょうに。都合のいいデータだけを見て発表したのでしょうか? 研究者とはいえそれが生活の糧です。自己の職場上の立場や欲や見栄にかられた都合なんでしょうかね? あえて対抗するデータを見ないという発表もあります。テレビの評論家さんは自説にあったデータしか使いませんからね。「○○のデータによると…」なんてCMが聞こえてくると眉に唾しています。そいえば、電力会社はデータをほとんど公表しません。原発事故の後もなかなか公表しません。都合のいいデータは大々的に公表しますが…。政治家がデータをふりますと私の眉は唾だらけ。 そもそも人間の脳は欲しいものしか見ないクセがあるとか。眼に入った情報をすべて意識していたら脳は大変なことになるのだそうです。であれば、データを見るときは、都合や欲や立場を乗越え、脳のクセをも乗越え、真摯な眼でデータと向き合わねばなりませんね。そうすれば、集めまくったビッグ・データを分析して、すてきな情報を引き出せるでしょう。コンピュータはその役に立つと思います。さて、ビッグ・データから保険の掛金のように驚愕の情報が出てくるのでしょうか?
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