雲のむこう 最近のパソコンではアプリであるワードやエクセルなどを開くと「雲」の絵のアイコンが出てくるようになりました。クラウド・サービスのマークのようです。パソコンで作成した文書などのファイルをインターネット経由で大きなサーバーに保管してくれるというものです。 常日頃バックアップなどなかなかできません。そんな時に限ってパソコンが故障して、最悪の場合はデータをすべて失う羽目になります。クラウド・サービスを利用してたらそんな心配はありません。そうそう、携帯電話やスマホに電話帳のお預かりサービスがあります。携帯電話を水の中に落としてしまい、新しい携帯に電話帳を入れなおす羽目にあったのは一度だけではありません。お預かりサービスを利用していたら、預けた電話帳をダウンロードすればすんだはずです。 クラウドはお預かりサービスだけではありません。請求書作成とか経理とかの業務用のアプリの提供もあるといいます。 さてさて『データを預かる』ということに不安は無いでしょうか? パソコンが壊れると預けたデータも取り出せませんから、別のパソコンを用意しなければなりません。それでもデータは無事です。パソコンは無事でも、ネットワーク器機か壊れるとインターネットに接続できないので取り出せません。電話回線の故障でも同じ。たとえば表通りの交通事故で電信柱が倒されて電話線が切れたとか、電話会社の交換機が故障したとか。そしてデータを預かるサーバー機とそのネットワーク機器の故障。さらにさらにこれら機械を動かす電力設備の事故。 インターネットは膨大なインフラに支えられているのですねぇ。インターネット接続が当たり前と思い込んでいると、足元をすくわれそうです。ところが当たり前にしているのがマイクロソフトをはじめソフト・メーカーで、インターネットが無いとヘルプが見られません。 さて、預けたデータはきちんと保管されているのでしょうか? 利用する用事が無いので利用したことはありませんが、銀行の貸金庫のように保管したら取り出すまでデータはじっとしているのでしょうか? ハッカー対策は万全で刻々監視している、操作員がミスをしないようマニュアルが徹底している、と信じましょう。ときどき顧客情報が何万件も漏洩したというニュースがありますが…。 ここからはパソコンの話ではなく、データ保管のことです。 まずタスポ。タバコを自販機で買うためのカードです。誰が何時、何処でどのタバコをいくつ買ったかぐらいはサーバーに記録しているでしょう。目的は未成年者のタバコ購入防止だったはずですが、追跡中の容疑者のデータを警察に提供しちゃっていました。カードの利用規約はお上に要求されたら提供するとあるのでしょうか? 次はJRのスイカ。誰が、何時どの駅で乗って、何時どの駅で降りたかをサーバーに記録しているでしょう。JRはこのデータを売ったそうです。誰がの部分は伏せたといっていますが。買ったほうは駅周辺の人の流れをリサーチしたいからだそうです。利用者に断りが無かったことで問題視されていますね。こちらもお上に要求されたら個別のデータを提供しちゃうのでしょうか? インターネットの検索サイトやショッピングサイトは効果的な広告を出すためにユーザーの検索や購入のデータを活用しています。さて、クラウド・サービス=雲の向こうの貸金庫は大丈夫でしょうか? 目的外の金儲けをしようとデータを売ることはないでしょうねぇ(いちおう誰がを伏せたと言い訳しながら)。そしてお上に脅されたら提供しちゃうなんてことないでしょうねぇ…。 今日も橋の上から西の方を眺めています。雲が低くなっています。富士山は見えません、東京タワーも見えません。あらら、隣町のスカイツリーの展望台も雲でかすんでいます。こりゃひと雨くるよ。
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