脱○○依存



 地元の親爺さんがパソコンの手習いに当社へ通ってきます。ワープロで旅行記をしたため、デジカメの写真を貼り付けて完成。それをお仲間に郵送するため当社の住所録ソフトを使っていただきました。郵便番号を入力して変換すると住所が出てきます。一言「こりゃぁ、ものぐさにはいいなぁ…」

 当社では各社員の作業パソコンでインターネットは出来ません。各社員のパソコンどうしをLAN接続して共同作業をしていますが、インターネットには接続していないのです。インターネットを活用しないのかというと、さにあらず、通信専用のパソコンでやっています。このパソコンは各社員のパソコンと繋がっていませんから、メールで受け取った書類やデータ、インターネットで調べた結果のデータは、ウィルス・チェックをしたうえでメモリーにいれて、各社員のパソコンに持ち込みます。先様に書類を送る場合は逆の手順です。

 江戸時代ふうにいえば、わが社は世界(インターネット)から鎖国をしていて、通信専用パソコンが和蘭貿易していた長崎の出島にあたるのでしょうか。メモリーやCD−ROMで持ち込まれたデータも、出島でウィルス・チェックをしてから上陸させています。

 不便じゃないかって? ええ、便利はしていないです。ですが、社員のパソコンにウィルス・チェック・ソフトがはいっていないのでサクサク動くし、お預かりしたデータは漏洩しようにもできません。

 何よりも気遣いをしなくてすみます。これまでもお報せしたように、ハッカー、ウィルス、データ漏洩などインターネットには気遣いしっぱなし。そうそう、便利しないついでにネット・ショッピングもしていません。動向調査をされてつまらない噂になるなんて気遣いもしたくありませんから。

 大手検索サイトのグーグルには、ホームページを検索するほか、ニュース、地図、画像、動画、書籍などの検索サービスもあります。検索だけではありません。「ニュースや検索結果をメールで受信」「予定やイベント情報を整理して友人と共有」「お気に入りサイトの新着情報をすぐにお届け」「ブログでメッセージを発信」「検索機能とスパム対策に優れた大容量ウェブメール」「写真や画像を整理、編集、共有」などなど、サービスは盛り沢山です。グーグルの宣伝をしているわけではありませんよ。

 これらのサービスはログインを要します。つまりこちらが誰であるかを明らかにしないと、サービスそのものが成り立ちません。検索だけならこちらが誰であろうが関係ないのでログインはありません。当社ではログインを要するサービスは利用しません。まあ、情報を扱う事業所ですから、できるだけ余計なことは避けているのです。

 なら、プライベートはどうか? やっていません。すみません。どうもこちらのデータがあちらのコンピュータに持って行かれるのがイヤなんですねぇ。あちらのコンピュータで何をやっているのかが信頼しきれないのです。グーグルと確固とした信頼関係ができたら、とっても便利できるのでしょうけど…。

 このほどグーグルは宣言しました。これまでサービスごとにログインしていたのをひとつにまとめてサービスを改善していくというのです。たしかに、操作の手間とIDとパスワードを覚えておくわずらわしさから解放されます。それよりグーグルはサービスのためにこちらの情報を収集しますので、こちらのネット行動を一括して把握し、もっと便利にサービスを改善するというのです。

 ますます不安になってしまいました。コンピュータはデータを処理する機械です。多種大量なデータを蓄え、高速に処理する機械です。管理者が善意であっても、想定以上になんでもできるから…。

 スマート・フォンの導入を検討していますが、業務用はともかく、プライベートはどうしようかと迷っています。GPS機能がついていますから、いつどこにいたかだってバレかねませんよね。

 便利になることは、ものぐさな私にはありがたいです。でも便利すぎると、どこかに何かを忘れてきたような気分になるのです。便利に馴らされ、便利に依存し続けて… そうなると脱依存はたいへんだなぁ。



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<広辞苑 第五版>
  プライバシー【privacy】 他人の干渉を許さない、各個人の私生活上の自由。
「―の侵害」
ポリシー  【policy】  政策。政略。方針。 
明六雑誌一九号「政略ポリシー上の秘密」

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