今何時



 「今何時?」「そうね、だいたいね」ではなく、ポケットの歩数計か携帯電話を取り出してます。会社にいれば壁掛け時計。電池切れで止まっていても、ラジオを聴いていればそのうち時刻を言うし、朝のテレビは時刻を映しているし、電話機、ファックス機、ビデオ機、それからいろいろな機械を覗けば時刻が確認できます。あ、そうそう仕事の道具であるパソコンで確認できますね、画面の右下の角あたりに9:12なんて表示していました。

 時計というものは、規則的にリズムを刻む機能と時刻を記憶しておく機能があります。百年も動く古い柱時計の場合は、振子がリズム、文字盤の針が記憶ですね。電子機器の場合は水晶発振器がリズム、メモリチップが記憶です。

 これらの動力源。古い柱時計はゼンマイでしたが、古くないものは乾電池です。電子機器も電池です。電池が切れると、スイッチを入れたときにパソコンがピーピーとかわいい声で鳴きます。パソコンのボディーを開いて電池を交換しましょう。アキバあたりの専門店でしか手に入らない高価な電池ではありません。ボタン電池と呼ばれる小さな電池です。そこのコンビニで売っています、歩数計と同じヤツ。

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 たとえ一人であっても人を起訴する権限を持つ検察官、それも特捜に所属するエリート検事さんが、ファイルの日付を書き換えて証拠にしようとしていたことが話題になりました。どんなファイルをどうやって書き換えたかはわかりません。そこまで報道されていませんから。証拠改竄の再犯防止って観点からも取材して報道してほしいものです。やり方を秘密にしないでくださいな。

 では、私だったらどうやるか。パソコンの日付を変更して、問題のファイルを上書き保存します。それだけ。

 ウィンドウズはパソコンの時計が示す日時をファイルの更新日時として記録します。マイ・ドキュメントを開いてください。どのファイルでもプロパティをみると、更新日時が記録されているのがわかります。この日時はパソコンの時計からひろってきます。業界ではタイム・スタンプなんて呼んでいます。郵便の消印みたいなものです。パソコンの時計を変えれば、その時刻を記録します。ですから過去でも未来でも自由自在に記録できます。

 検事さんは「間違って変えてしまった」と言い訳していますが、間違って上書きしても、更新日時は今日の日付になるだけ。過去の日付にするには意図的にやらないと出来ません。電池が切れていたなんて言い訳はなおさら通用しません。検事さんの手口を明らかにしてほしいですね。頼むよ裁判官。

 そうそう、日付の変更はウィンドウズのコントロール・パネルの「日付と時刻」で出来ます。え? 出来ない? それは、大きな職場のパソコンですね。ユーザーIDとパスワードを入れないとパソコンは使えないようになっています。ネットワークを組んで、ユーザーごとに操作できる範囲を制限しています。あなたの場合、日付・時刻は操作禁止になっているのでしょう。ネットワークにつながっている全部のパソコンの日付が同じになるように仕組んであれば、なおさら禁止ですね。それでも改竄するなら、USBメモリーかフロッピーにコピーして、自分のパソコンで改竄して戻しておきましょう。

 なに? フロッピーもUSBメモリーも使えないようになっている? 用心深い職場ですね。でもメールは出来るんでしょう。添付ファイルにして自分のパソコンにメールして改竄する。そしてメールの送受信記録の抹消を忘れないこと。

 ついでに、ファイルの上書きは、元を削除して新たに追加する場合があります。削除というのは削除したという記録をするだけですから、元のファイルがディスクに残っているかもしれません。削除したファイルを探して復元するソフトが市販されてますから、簡単に改竄の証拠が見つかってしまいかねません。削除したファイルを完全に消すことも忘れずに。市販のソフトで出来ますよ。

 あ、話題の検事さんの場合、ファイルはフロッピーでしたね。だったら、職場のパソコンでやらなくてもすみますね。

 ところで問題の文書のファイルは何だったのでしょう。文字だけを記録するテキスト・ファイルはタイム・スタンプしかありません。ワープロ・ソフトだと、たとえばワードの場合、文書のプロパティに完了日だの記録日だの日付を記録できます。ここも書き換えておきましょう。自動的に記録するところではありませんから気をつけましょう。自分で入力します。

 ここまでやれば、バレないかもしれません… ん? そもそも、問題の文書の文面に作成日が書いていなかったのですかね? 印刷してあったものと比べれば、改竄はすぐバレちゃいますよ。公文書なら日付は必須だが、メモ程度なら無い? そんないい加減な仕事してるんでしょうかね、厚生労働省の一部のお役人は… それともそれも意図的なの?



刑事訴訟法

(国家訴追主義)
第247条 公訴は、検察官がこれを行う。

検察庁法

(職務権限)
第4条 検察官は、刑事について、公訴を行い、裁判所に法の正当な適用を請求し、且つ、裁判の執行を監督し、又、裁判所の権限に属するその他の事項についても職務上必要と認めるときは、裁判所に、通知を求め、又は意見を述べ、又、公益の代表者として他の法令がその権限に属させた事務を行う。

私たちは、これらの権限を検察庁なる役所ではなく、検察官とうい個人に任せているのです



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