ただより高い



 ウィンドウズなるものに初めてお目にかかったのは90年頃、バージョンは3.1でした。95年の初冬にウィンドウズ95が登場した時には、インターネットが利用できるようになっていました。その年の1月におきた阪神大震災の状況を神戸の大学がインターネットで配信したことが、インターネットの威力を世に知らしめました。インターネットを見てすぐに駆けつけてきた海外の救助隊のほうが、わが国の政府より阪神の現状を把握していたのですから。

 ウィンドウズ95を購入してから、すぐにインターネットを始めることにしました。パソコン通信をやっていましたから、モデムなど通信機材はそろっています。が、インターネットのホームページを見るためのソフトウェア(ブラウザ)がありません。

 さっそく秋葉原でウィンドウズ・プラスなる別売りのオプション・パッケージを買ってきました。これにはブラウザのソフトの「インターネット・エクスプローラ」ほかゲームなどが入っていました。これでようやく、インターネットを始めたのでした。

 その後のウィンドウズ98からは、インターネット・エクスプローラ(IE)を組み込んで売られています。ブラウザ・ソフトはIEだけではありません。モザイクとかファイヤー・フォックスとかウィンドウズのマイクロソフト社以外のメーカーも発売しています。ユーザーとしては自分にあった物を使いたいので、場合によってはIEは邪魔です。組み込まれたIEの分までウィンドウズ98の値段に組み込まれているのでしょう、余分な出費です。95の時は別売りだったのですから。

 この手のことはIEに限りません。メールソフトの「アウトルック・エキスプレス」もそう。使いづらく、自分とは相性がよくありません。そのうえメール以外の余分な機能も盛りだくさんです。とくに、メールをどこに保存しているのかがわかりにくく、データ保守のしづらいったらありゃしない。みなさん、メールのバックアップをとっていますか? 壊れてしまったら、人様からいただいたメールは復元できませんよ。当社では別の会社のソフトを購入して使っています。

 お小遣帖とかなんとかうんざりするほどソフトが組み込まれたパソコンばかり売っていたことがあります。初心者向けのおつもりでしょうが、この邪魔ものを撤去するのに一苦労、そのうえこれらの代金もとられているのかと思うと…

 このほか、ペイントとかメディア・プレーヤーとか「アクセサリ」と称したメニューにあります。これらが入っていない分、お安くしたウィンドウズは売らないのでしょうか? え? これらはおまけだからタダですって? そうなんですか、「タダより高いものはない」といいますがね。

 アクセサリには、「ワードパット」なるワープロ・ソフトが入っています。フォントの指定、左寄せ・中央揃え・右寄せなどの機能や画像などの貼り付け機能もあり、けっこう使えます。事務文書を作るのにも使えます。ただ、罫線の機能はありません。ワープロはウィンドウズが登場する前から「一太郎」というソフトが定番となっていました。それで儲かると判断したのかマイクロソフトには別売りの「ワード」を売ってます。ですからおまけのワードパットの機能はアップしていません。

 同じタダでも、IEはどんどん機能アップしています。なんででしょう? ワープロは売ってしまえばそれまでですが、IEはその先に儲けがあるからでしょう。インターネットのサイトの運営、情報提供サービス、ゲームや音楽の販売などなど、可能性は大ですから。でも、どうでしょう? グーグルやアイポッドはじめ、タダのおかげでマイクロソフトではないところが儲けています。わが国でも楽天とかライブドアとか…

 ところで、どうもタダというは怖いのです。何か問題があっても責任をとってくれそうもありませんから。「タダなんだから文句を言うな」と言われているようです。タダでも好みでもないものを押し付けられて迷惑してます。ですから、きちんと料金を取って、責任もとってくださいな。当然、別売りにしてね。自分にあったものを選びたいから。



Windows95 Plus! に入っていたソフト
 
ハードディスクの監視などをするソフト、ハードディスクのデータを圧縮するソフト、立体(3D)ゲーム、インターネットのブラウザのソフトとメールのソフト、インターネット用の音楽再生ソフト、インターネット接続とマイクロソフト社が運営するプロバイダに契約するのためのソフト。
別売りなのに、消費者(ユーザー)を囲い込むぞ、というマイクロソフト社の意気込みがよく出ていますね。


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