通りゃんせ デジカメが写真を記録したファイルにつける名前は番号順になっていますから、パソコンに保存してもそれで撮影順はわかります。が、いただいた写真や携帯電話で撮った写真も一緒に保存すると、ファイル名では撮影順はわからなくなります。それで撮影日時を加えたのです。更新日時が撮影日時じゃないのか? おっしゃるとおり。撮ったまま手をつけずに保存していればそうなのですが、ちょっと明るくしようとか、枠を入れたりとか、画像ソフトで写真を加工すると、更新日時は加工した日になってしまい、撮影日時とは違ってしまいます。 フィルム・カメラでは写真に日付を写し込む機能がありましたね。学生の頃に写真の上端中央にアナログ時計を写し込んであるのを見たことがあります。警察の現場写真ですね、裁判の証拠にするのだから半端じゃありません。写真と撮影日時は切り離したくない関係です。 デジカメの写真は別に日付の写し込みをしなくても撮影日時を記録しています。からくりはファイルに保存するので、写真の映像の他に撮影日時を文字データでとして一緒に記録しているのです。 あるソフトの開発でデジカメの写真ファイルに記録されている撮影日時を取り出すことにしました。最近のデジカメはどれもこれもJPEG(ジェーペグ)というファイル形式を採用しています。まずはインターネットで取り出し方のプログラムを見つけました。が、しっくりしません。それではと書籍を検索し、大型書店まで足を運び確かめましたが、見つかりません。またインターネットにもどり、ようやく協会の規格書を見つけました。これでファイルのどこにどう記録されているのかわかりました。あとはプログラムするだけ、簡単に撮影日時を取り出せました。 規格書によると、カメラのメーカー、カメラのモデル(型番)はもちろん、撮影したときの絞り、シャッター・スピードなどの撮影データ、写真の縦横のサイズ(解像度)など画像データも記録されているのです。さらにGPSデータもあります。すなわち地球上のどの地点(北緯何度、東経何度)で撮影したかも記録されているのです。 会社のデジカメで撮った写真のファイルを調べてみましたがGPSデータはありません。このデジカメには現在どこにいるかのデータを計る機能はありませんから、無理ですね。ならば、携帯電話は? 私のはGPS機能付きではなかったか? そうでした。会社の事務所で位置情報を付加して写真を撮ると、北緯35度43分9.51秒、東経139度49分29.46秒と記録されていました。携帯電話のGPSは百分の一秒まで判別するのです。ちなみに百分の一秒は約30cm。 あとは撮影地点の高度とレンズの方向に仰角を計る機能がカメラについていれば完璧な証拠写真になるでしょう。ただし、法廷で証拠採用されるかわかりません。私がプログラムしてデジカメの写真ファイルからこれらの記録を取り出せるということは、書き換えることもできます。言い方代えりゃ捏造可。 GPSはカーナビでおなじみでしたね。現在地の位置情報を取って地図の上に表示しています。それでは、あらかじめ位置情報付きの写真を撮っていおいて、地図で場所を指定したらそこの写真を表示することも可能です。道路沿いに連続的に写真を撮っておいて、地図でその道路をなぞると、写真が次々に出てくる。しかも前後左右の写真を用意しておけば、右を見たり左をみたり、振り返ったりと、まるでその道路を散歩しているような気分に・・・ インターネット・サイトのグーグルがこのサービスを始めました。コンピュータがお得意の「ちから技」ですね。地図上でわが社の前の路地を行くとやがてわが社が見えてきます。横を向けば一階のわが社の正面、看板代わりの提灯、通勤に使っている自転車、雑多な植木鉢、ゴミ箱・・・ よく写ってます。わが社の場合、路地ですから写真がとりわけ大きい。わが社のガラスに写真を撮っていった自動車が映っているのさえ写っています。 「自分が写っていなくてよかったぁ〜」と社員。これはもう人権侵害でしょう。広告をとって大々的に展開している大手サイトが、金儲けを目的にやっているのですから。遺伝子組替えを例にあげるまでもなく、技術でできることを何でもやってよいわけじゃないでしょう。公道とはいえ、ウチの前の細道まで通らないでくれ。 かつては戦争にさえルールがあったのに。え? テロ対策を口実に米軍とか警察とかにはもっと詳しく30cmのデータを提供して儲けているんじゃないかって? もう、冗談はやめて!
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