わーどうなってるの


 とあるアンケートのデータ入力の仕事で、メール・アドレスを入力することになったのですが、われわれは、アルファベットを読むのも書くのにも馴れていないのだ、と痛感しました。「u」か「v」か、「m」か「n」かなどなど判別できないことが多々あったのです。筆記体ふうにつづけて書かれたのにはお手上げ状態になることもありました。漢字でも仮名でも1文字1文字がお行儀よく並んでいるのがこちらの文化。次回のアンケートからは、メール・アドレスの欄は原稿用紙のようにマス目を設けてはどうかと提案しました。

 第4報でお報せしたプロポーショナル・フォント。均整(釣合)のとれた字体ということですが、文字ごとに文字の幅が違います。例えば「w」は幅広で、「i」は狭い。「Windows」と単語にしたときは納まりがよいのでしょう。欧文では単語ごとに空白で区切りますから、それはそれであちらではよいのです。でも、1文字1文字お行儀よくないと読みづらいのがこちらのしがらみ。そんなこだわりで、私のパソコンはあらゆるところで固定幅のフォントに設定しなおしました。

 まずウィンドウズの画面の設定。アイコンの下の文字が間延びしますが、アルファベットのファイル名などは見やすいですね。特に半角なのか全角なのか一目瞭然です。

 次にワープロなど文書作成ソフト。作成する文書はお客様に読んでいただくものですから、お行儀よくなくてはいけません。全社をあげてプロポーショナルは禁止です。そのうえ、ソフトによっては括弧や句読点などは幅をつめてくれるというとても親切な機能があります。この親切をお断りする設定にしています。お行儀が悪くなってしまいますから。

 そうそう、ワープロで「箇条書きの先頭がデコボコしてしまうんだよ」という相談がありました。行の先頭からスペース(空白)を詰めているのです。フォントがプロポーショナルなので、行全体を微妙に調整してくれるおかげでデコボコに。スペースの入力も半角だったり全角だったりしていたので、さらに微妙にデコボコ。固定幅のフォントにするほか、インデント(字下げ)とTAB(文字送り)機能をお使いになることをお勧めしました。

 表計算ソフトでは、金額などを全角で入力しても半角に直してくれます。というのも計算の対象にする数値は半角の数字なのです。全角の数字は対象外、文字扱いです。ですから、半角と全角が一目瞭然の固定幅のフォントのほうが間違いは少ないのです。それよりなにより、数値の区切りのカンマ(,)とか時刻の区切りのコロン(:)などプロポーショナルでは画面についたホコリと見間違えるほど幅が狭いですから。

 欧文なんか書かない私にはプロポーショナルなんて縁が無い、と思いきや、プログラムはアルファベット、これを書くのが飯の種なんですね。毎日欧文を書いているのです。でもプロポーショナルの設定は外して固定幅にしています。欧米の方々に読みやすく読んでいただく文書ではないからです。プログラムを解読するのはコンピュータで、1文字たりとも間違えることはなりません。だから書いている本人が読みやすいのが一番。プログラムではピリオド(.)が文末だけでなく、文中の単語の区切りにも使います。何とかドット・コムと同じです。これをカンマで入力しようものならプログラムが動きません。ですから、ピリオドが小さいプロポーショナルはダメです。
 えっ?、歳の所為で画面がよく見えないんだろうって? それもあります。でもね、見やすければそれだけ目の負担も減りますよ。

 さてさて、あらかたプロポーショナルを駆逐したのですが、ソフトによっては設定できずプロポーショナルのままの個所があります。保存するファイル名を入力する画面がそう。半角で入れたつもりが全角になってしまいました。私どもがプログラムを製作するソフトではプロパティ画面もそう。カンマ、ピリオド、コロン、セミコロン(;)などゴミにしか見えない文字を入力せねばなりません。そのうえ入力エリアは小さいし大きくもならない。仕方なく固定幅フォントでサイズの大きな文字に設定した別のソフト(メモ帳)に入力してから、カット&ペースト(切り貼り)して入力しています。とほほ…

 パソコンは日本語対応と言っていますが、日本用というわけではないのですね。パソコンの規格や国語を司るお役人さん達はどうお考えでしょう? そうそうアイコクシンとやらを論議している政治家の先生がたはどうでしょうかね?

 私は私たちの風土になじませてほしいなぁ…と思っているだけなのですがね。
まだまだ、我慢して使うしかないか…。



※ワープロ マイクロソフト社の「ワード」が蔓延しています。アメリカ製ですね。日本製の「一太郎」も頑張っています(ジャストシステム社)が、どうもアメリカナイズしちゃっていて。ちみにこの注意報は「ページメーカー」というソフトで編集しています。ワード・プロセッサーというよりドキュメント・エディター、これもアメリカ製(アドビー社)。
※メモ帳 ウィンドウズのアクセサリーにある備えつきのソフト。入力した文字を記録するだけの機能しかありません(文書の体裁はつくれません)。注意報の原稿はこれで書いています。書いたら文書編集ソフトに貼り付けて編集しています。
※プロパティ パソコンで使われ始めた言葉ですね。当初、調べても、特性とか財産とか、しっくりきませんでしたが、ある日「設定」であると両津さんがずばっと説明してくれました(漫画「こちら亀有公園前派出所」)。


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