待機電力


 地元の先達から環境に関する本(※1)をすすめられました。わが国ではエアコンや冷蔵庫などの省電力技術がすすみ、電気代はとても安くなっているとのことです。そう言えば電気屋をやっている従兄弟も「最新型は電気代が安いって喜ばれたよ」と言っていましたね。安い中古を買っても、電気代が高くついて、トータルで割高かもしれません。さらに本では、『冷蔵庫を買い替えるための融資をして、省電力で浮いた電気代分で返済してもらう活動』をしているNPOが紹介されていました。もちろん目的は電力会社が出す二酸化炭素(CO2)を減らそうという環境対策です。

 他にも待機電力がけっこうな電力を使うことが紹介されていました。冬は使っていないエアコンもコンセントを差したままだとけっこうな待機電力を使っているそうです。そうそうテレビの通販でスイッチ付きのコンセントを売っていましたね。こまめにスイッチを切って待機電力を節約しようというのです。お財布に優しいばかりか環境対策になる。

 当社では設立当初からパソコンの電源はすべてスイッチ付きのコンセントを使っています。通販お勧めの差込口に一つずつスイッチがついているタイプではなく、すべての差込口の電源を一括してオン/オフするスイッチが付いたタイプです。理由は、電気が通っているとパソコンにしろモニタにしろその他の機器にしろ発熱から火災になりはしないかと・・・借事務所ですから。実際、煙をふいてモニタが壊れたことがあります。幸い発火には至りませんでしたが(※2)。

 ウィンドウズの場合、画面左下のスタートボタンからウインドウズの終了をクリックすると、ウィンドウズを終了して、正常なら電源が切れます。が、モニタは切れていません。このままではなにも映していないモニタはつけっぱなし状態。かつてのパソコンは本体に電源の差込口があって、そこにモニタの電源を差しておけば本体と一緒にモニタの電源も切れたり入ったりしたのに、最近はぜんぜん見かけません。え? パソコンが切れるとモニタも電気を使わない状態になる? そうですね、技術はすすんでいます。でもそれが待機電力でしょうね。スイッチを切らないと冷蔵庫やエアコンの省電力分がすっとんじゃいません?

 当社のパソコンのある一台は、モニタのほか、スピーカー、スキャナ、専用プリンタ、USBハブ、外付けのハード・ディスク、ZIPディスク、MOディスク、CD−ROMライターと計10個もの機器がついています。それら機器のうち、電源を後から入れたのではウィンドウズが承知してくれない機器もあるし、電源スイッチのついてない機器もあります。ですからパソコンをつけるときは10個の電源を確認してからパソコンのスイッチ・オン。パソコンをとめるときはその逆。ですから一括スイッチ付きコンセントを使っています。

 というわけで、退社したあと電気が入っているのは電話機とファクシミリ機、それと冷蔵庫ぐらいですかね。パソコン関係の待機電力はありません。「チーム・マイナスn℃」を標榜している『環境省』でもそうしているでしょう、きっと。

 「メールができない、インターネットもつながらない」とあるお客様からSOS。押っ取り刀で駆けつけ、やおら2台のパソコンを終了させてコンセントから抜き、モデムとハブもコンセントから抜きました。ゆっくりお茶をいただいてから、コンセントをつなぎなおしてパソコンのスイッチオン。それだけでメールもインターネットも回復しました。「電気を入れっぱなしだと、記憶が混乱しちゃうんでしょう」とわけのわからない私の説明で、お客様はスイッチ付きコンセントを導入。以後SOSはありません。

 モニタや機器類ばかりでなく、パソコン本体もコンセントにつなげていれば待機電力を使っているでしょうね。今度調べてみよう(※3)。



※1 田中優著「戦争をやめさせ環境破壊をくいとめる新しい社会の作り方」合同出版

※2 IBM社のブラウン管モニタ。ある朝、突然に焦げた臭いに薄い煙が出て映らなくなった。アキバの店主は凍りついちゃったので、IBMに直接連絡。さすが最大手、ただちに修理しますという回答。追っ付け代替のモニタを持った運送屋さんが来て、壊れたモニタを引き取りました。それから5年、まだ修理は終わっていません…。IBMさん、まだぁ?

※3 先日訪れた友人宅でのこと 電源にコンセントを差しこんでパソコンのスイッチを入れてから立ちあがるまでとてもとても時間がかかりました。「再起動」はさほど時間はかかりません。どうも常時電源をつなげたままの待機電力を前提に設計していますね。パソコンもタイプ(ノート型、ブック型、タワー型)やメーカー、機種でそれぞれ設計思想が違っているので、待機電力もかなり違うでしょう。


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