突っ込み 電話で詐欺師がまくりたてる、それで相手をパニックに陥れて金を振込ませるのがオレオレ詐欺の手口。『俺んとこにもかかってきたぞ』なんて話は地元のオヤジさん達からもよく聞きます(*1)。 詐欺の被害は大阪が最も少ないとの報道がありました。テレビのコメンテータは『日常の会話ですぐ突っ込みを入れますからね、関西では。詐欺師がまくしたてても突っ込みをいれる、それに応えているうちに詐欺師はボロをだしちゃって、バレるんじゃないですか?』と解説。う〜ん、なるほどね。 当社の関西出身の女性社員いわく 「なんであんなものに引っ掛かるのか不思議に思ってたけど、そうなんだ、私なら突っ込み入れるもんね。私だったら『ばあちゃんが謝ったるよってに、怪我しはった人電話に出しなはれ!』って突っ込むよ〜ぉ。」 今は標準語(?)を喋る彼女ですが根は関西人ですね。 そんな話をしているときに、コンピュータの原理を思い出していました。コンピュータは与えられた一連の命令(プログラム)を順に実行しているのですが、ときたま突っ込み≠ェ入り、そちらのプログラムを処理してから元のプログラムの続きをやります。 突っ込み≠ニは、 「キーボードが押された」 「マウスが動いた・クリックした」 「ディスクの読みこみが終わった」 「画面に表示した」 「ネットワークから信号が来た」 「プリンタが動いていない」 などなどの周辺機器からいろいろな信号が入ってくること。 そのたびにそれ用のプログラムを実行してから元のプログラムの続きにもどります。専門用語風には割込み∞インターラプト≠ネんて言います。 「時間がきた」という突っ込みもあります。そのたびにメールを見に行く時刻だ、やれ何をする時刻だを調べ、お時間なら、そのプログラムを先に実行します。 その命令をやるならこちらのプログラムを実行してからなんていうソフトウェアの突っ込みもあります(ウィルスチェックなど)。 ときたまどころか突っ込みだらけですね。突っ込みのプログラムをやっているうちに次の突っ込みが来ます。 本来のやれと命令されたプログラムを実行しているのに、突っ込みのおかげでさっさと終わらせられません。見た目にはパソコンの動作が鈍くなってきます。重い≠ニ感ずる一因です。 さらに、突っ込みが重なってくると、何をやっているのか追いつかなくなり、そのうちにパソコンは凍る≠ゥもしれません。こうなると、突っ込みがきつくてボロが出ちゃったオレオレ詐欺師状態ですね。ガチャンとリセットするしかありません。 解消法の一つに、メモリを増設して容量を大きくすることがあげられます。プログラムはメモリという部品に入れて実行します(普段はハードディスクに保存)。メモリの容量が多いと本来のプログラムのほか、突っ込みに対処するプログラムもたくさん入ります。 メモリも十分に大きいなら、より処理速度の速いプロセッサにすることです。次の突っ込みまでに前の突っ込みのプログラムを終えてしまおうというわけですね。 それでもまだ、というなら、用途別にパソコンを用意して、一台のパソコンで何でもかんでもやらせないことでしょうか。 万能のようなパソコン、実はきっつ〜い突っ込みに四苦八苦しているのです。
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