第36報 | '04.5.20 |
ちょ〜整理法 1993年に中公新書『超整理法』という本が出ました。「これはいいぞ!」って、本を読みきらないうちに会社で実施しました。書類を角二サイズの封筒にいれ、封筒に日付と標題を書いて、並べる。取り出して使った書類は並びの一番手前に置く、というルールが『超整理法』が説くところ。よく使う書類は手前のほうに集まり、使わない書類は奥に残ります。いつごろ使ったかはけっこう覚えているもので、書類を捜すのは苦になりません。どんな資料もここのどこかにある、という安心感もあり、奥のほうの使わなくなった書類を処分するのに何のためらいも無くなります。処分は年末の大掃除の楽しみにしています。この並び順が『超整理法』のポイントなのです。なお、当社では幅半間(90cm)の本棚4段ほど使っています。 ウィンドウズの母体であるMS−DOS(エムエス−ドス)のDOSはディスク・オペレーティング・システム≠フ頭文字、ディスクをもサポートする基本プログラム、という売り文句なのです。80年代のはじめですね。このディスクというのはフロッピー・ディスクです。8吋(インチ 直径約20cm)のを2枚入れて、ワープロ、表計算などをやってました。フロッピー・ディスク1枚で0・1の信号を約八百万個(1メガバイト)記録します。全部を漢字のコードにすると50万字分、原稿用紙にして1250枚、書き下ろし小説ならば100本も入ります。あなどれません。 80年代半ばに初めて自分用のパソコンを購入したときは、MS−DOSのバージョンも3で、ハード・ディスクをサポートしていました。その容量はフロッピーで10枚分(10メガバイト)です。あまりの大きさに感激し、バックアップ用にフロッピー10枚(サイズは3.5吋)をあわてて購入しました。それでもデータの保存はフロッピーでした。というのもハード・ディスクにはワープロ・ソフトや表計算ソフトのプログラム用にしていましたから。 ウィンドウス用のパソコンを購入したときのハード・ディスクは500メガバイト。思わず「どう整理するんだよ…」と口をついて出てきました。データやプログラムのファイルを整理して格納するフォルダ(当時はディレクトリ)をどのように構成するか、ずいぶん思案しました。仕事のプログラムのファイルを入れるフォルダ、経理のデータを入れるフォルダ、本の原稿を入れるフォルダ、学校の成績簿や教材のデータを入れるフォルダ…。 現在使っているパソコンのハード・ディスクは10ギガ(=10000メガ)バイト。20倍です。やはりフォルダの構成は試行錯誤の連続です。そこで、整理のつかないデータのファイルを放り込んでおくフォルダをひとつ設けました。ウィンドウズでは(MS−DOSもそうですが)ファイルの中身を最後に書き換えた更新日時≠記録しています。フォルダを開いて[表示]を[詳細]にして[更新日時]で並べ替えます。古い日付のファイルから中身をチェックのうえ削除しています。『超整理法』的でしょう。 でもちょっと違うのです。ファイルを開いて中身を見てそのまま閉じた場合は更新日時はそのままです。何も書き換えていませんから。必要があって見たのに並べ替えても古い日時のまま。『超整理法』的には一番手前にきてほしいのですが。 ウィンドウズ経験(XP)になると、アクセス日時で並べ替えができます。アクセスとは開くこと。最後に開いた日時で並べられる、占めた! と思いきや、アクセスするのは私だけではないのです。定期的にウィルス・チェック・ソフトがアクセスするので、その日時がアクセス日時。これでは『超整理法』にはなりません。全部のファイルがほぼ同じアクセス日時になりますから…。 そうそう、ウィルス・チェックってかなり時間がかかります。そりゃハード・ディスクの容量が大きくなった分たくさんのファイルを保存しますから当たり前です。ファイルのバックアップも同様です。ですからファイルを整理したいですよね。大きくなればなるほど何を保存しているかわからなくなりがち。インターネットに常時接続でもしていようものなら、ハッカーの美味しいターゲットでしょう。保存している方が何を保存しているか忘れちゃっているなら、盗まれてもわからない…。 パソコンを立ち上げたときデスクトップの画面はきれいですが、ハード・ディスクの中はごちゃごちゃ。どうもウィンドウズはそれを推奨しているようで…、というかノイマン型コンピュータ(*1)の宿命かも…。 先日呑み屋での知人の愚痴。「うちのカミさんは部屋の整頓はするけど、整理がな。見た目では綺麗に片付いているんだ。でもよ、実は隠しているだけなんだな。どこに何があるやら、肝心なものがイザという時には…」と、ぼやいていました。
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