工作所発

ういんどーず注意報
2001.1.1
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え!? 2001年問題??


 注意報を書き始めてもう2年になります。そもそものきっかけは、かの「2000年問題」。当社でソフトウェア製作に使っているマイクロソフトの製品(*1)が2000年に対処しているものと思い込んでいたら、していなかった。2000年のたった5年前に売り出されたのにです。それが、癇に障って、癪に障って、腹が立って、頭に来て、悔しくて、情けなくて・・・書き始めたのでした。

 昨年は政府もマスコミも世界中で大騒ぎしましたが、「どうやらご無事で2000年」を迎えました。ところで2001年は問題無いのでしょうか? 漫画雑誌などでは、はしゃいでいましたが。
 昨年、2000年問題をインターネットで調べていたら、「2001年問題」のページを見つけました。マイクロソフト社のエクセル97(Excel97)という製品で起きる問題です。

 私たちが年月日と日付を入力するときに、長年の習慣で年は2桁しか入れません。2001年2月3日は、『01/02/03』と入力するでしょう。するとエクセルでは1989年2月3日になるのです。というより『平成1年』になるのです。最初の『01』を和暦と認識するからです。『00/02/03』と入力したときは、平成00年はありませんから、2000年2月3日になります。2000年問題は無かったのですが、2001年問題を起こしてしまったのです。新聞にも取り上げられました(※2)。その後発売した新バージョンでは直っているようですが、当社ではまだエクセル97を使っているので、気をつけないといけません(注意報の第3報でも、お報せしました)。


 実は、当社のソフトウェアでも2001年問題を起こしてしまいました。お客様にはご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。事の次第はつぎのとおり。

 自動的にスケジュールを作るソフトウェアです。例えば2000年1月1日から12月31日までの第2月曜日は1月10日と2月14日と・・・という具合に日付を計算してスケジュールを作っていくのです。
 そこで、平成13(2001)年2月3日からのスケジュールを作るとしましょう。人間が入力した『H13/02/03』(平成13年2月3日)が、なんと平成15年1月2日になってしまったのです。
 ソフトウェアでは入力した平成13年2月3日を解析して西暦の『01/02/03』という文字のならびに編集してから日付に変換していました。『01/02/03』という数字の並びは『年/月/日』の順のつもりでしたが、日付に変換するさいに、なんと欧米ふうに『月/日/年』と年が後ろになる順で判断して、
2003(平成15)年1月2日としたのです。
 日の部分を年にしてしまったから、たまりません。平成13年1月30日は昭和5年、平成13年3月29日は平成41年になるありさまです。
 なお、2000(平成12)年までは00月とか00日はありませんから、先頭の00を年と判断していたので問題が出なかったのです。

 このソフトウェアはマイクロソフトのアクセス97という製品に当社がプログラムを加えて作成しました。入力した日付を文字の並びに編集するのは当社のプログラムですが、日付に変換するところはアクセス97に付随しているプログラムを使いました。日本語対応のアクセス97は普通に日付を入力すると日本ふうに年・月・日の順で認識するのですが、マイクロソフトの日付の変換プログラムを使うと欧米ふうに月・日・年の順で認識するのです。各国の文化の違いで日付の表現はまちまちです。欧米では月・日・年の順が普通なのでしょう。欧米圏のマイクロソフト社の製品ですから、普通の入力は日本語対応したけれど、日付変換のプログラムまでは日本語対応の手が回らなかったのでしょう。もっとも入力した日付を文字の並びに編集するプログラムで『2001/02/03』と年を4桁にしていれば問題は起きなかったのです。

 そう思うと、自分たちの至らなさが、癇に障って、癪に障って、腹が立って、頭に来て、悔しくて、情けなくて・・・
--欄外--
 この問題を起こした当社のソフトウェアはひとつだけです。当社では日付を解析して数字の並びに編集するという難しいやり方はせず、もっと簡単に日付を扱っています。たまたま外部に製作の協力をあおいだものの、当社のチェックやテストが甘く、それがまた、癇に障って、癪に障って、腹が立って、頭に来て、悔しくて、情けなくて・・・
--社員--
と、パソコンラックが凹むほど、日々社長の癇癪玉が破裂しています。


(※1)マイクロソフト社 アクセス2.0
(※2)99年3月26日 朝日新聞 最近の事例ではありません。いつか、これら事件を題材にしてみたいと思います。




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