安心・安全 田・畑の仕事ばかりではありません。家畜の世話もあります。庭の植木の手入れもあります。そして出荷の伝票はパソコンで作って記録しています。 その御仁が「パソコンはなぁ、中を見てもわからん。どうなっているんだか… きらいだよ」とポツリ。確かにパソコンをいくら分解しても仕掛けは見えません。徹底的に分解してピカピカの金属の円盤が出てきたら、それはデータを記録する板、ハードディスクというやつです。何が記録されているのか目で見てもわかりません。緑色の基盤に貼り付いているICチップを剥がして削ってみても、小さすぎて電子顕微鏡でもなければ回路は見えません。パソコンはどう入力したら、どう反応するか、を見たり感じたりするしか手がありませんねぇ。 このところ当社のセキュリティ・ソフトが週に1回ぐらい警告を発します。受信したメールにウイルスが着いていたので駆除したというのです。残念ながら、メールのどこにウイルスが着いていたのか、どんなかたちをしていたのか、どういう手段でウィルスを検出したのか、わかりません。 セキュリティ・ソフトを導入してきちんと料金を払っていれば、時折ワクチンを送り付けてきたり、ソフトを更新したりしますが、どうやって検出しているかわかりません。ソフトを分解したところで、プログラムですから二進数の羅列…。解析には膨大な労力が要るでしょう。セキュリティ・ソフトの会社が料金分の仕事をきちんとやっていると信じるしかないんですよねぇ。 セキュリティ・ソフトは、週に何通も受信する「あなたのアカウントを停止しました」とかいう詐欺メールの文面そのものは検査していません。メールについているプログラムを検査しているのです。プログラムとは添付ファイルや文面中のリンクです。文面につられて添付を開いたり、リンク先のホームページを開かないように。 セキュリティ・ソフトの謳い文句ほど安心・安全ではないんですね。私どもでは知らないところから来たメールは即刻処分しています。そう自助なんです。 「さっき送ってもらったメール、もう一度送ってくださいな」とお客さんから電話。「届いていませんか?」「いやいや、手がすべって変なメールと一緒に処分しちゃったんだよ」… てなこともありますがね。 まあ、ここまではいわゆる水際作戦です。万が一突破されたらどうなるでしょう…。セキュリティー・ソフトはそこまで面倒をみてくれません。ですので、そんな事態に備えて私どもでは常日頃からデータのバックアップをとっています。これも自助ですね。え? データはパソコンではなくクラウドに保存しておけば安心? いやいやクラウドのデータを狙った変異株のウイルスも出てきているのですよ。 水際作戦も効を奏さなかった万一の事態、直ちに検査して即修復・修理するなんてサービスは聞いたことないし、あったらとてつもない料金でしょうねぇ。公助でやってくれたらパソコンをインターネットに繋いでも安心・安全な感じがしますがねぇ。スマホもですよ、いまや生活必需品ですから。 知合いのお百姓たちは、作物と畑の相性、日々の天気、雨、風、温度、湿度をにらみながら、種を蒔き、肥料をふり、水をやり、草取りをし、そして収穫して… 安心・安全な、そして美味しい食づくりに精を出しています。
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