地球的課題の実験村《実験村三つのプロジェクト》◇北総大地夕立計画 空港やその関連施設の建設で北総(北千葉)の土地からたくさん木々が失われました。その結果、気象にも変化が起こっています。たとえば夏の夕立。昔、空港になってしまった三里塚牧場の上には雲が沸き、夕立を呼び寄せ、緑の大地をうるおしました。空港が造られた後、その夕立がめっきり減ってしまいました。 それなら百年計画で森をよみがえらせ、この大地に夕立をとりもどそう! これまでに森づくり学習会、どんぐり拾いと苗木つくり、水系調査、夕立モニター、炭焼きなどをやってきました。芝山町小寒田にある山林を借りて「夕立の森」と名づけ、山の手入れ・森づくりも始めました。倒木を片付け、篠竹を刈り、下枝を落としたあとスギ、ヒノキなど植林された木々、エノキ、クサギ、サンショウ、ヌルデ、ニッケイ、イヌカシ、コウゾ、クワなど自生している木々を調べ、空き地には苗木をうえていきます。 まずは水や生命のめぐりが体感できる里山、やがては夕立を呼び寄せる森にしてゆきます。 活動は真夏と真冬を除き毎月1回、集まりやすい土曜日の午前10時から午後3時ごろまで。汗を流したあと、鳥のさえずりを聞きながらの語らいも格別です。参加費は1回300円(学生/スタッフ100円)。 国内自給率が極端に低く、遺伝子組み換えのものが混ざる恐れのある小麦と大豆を有機・無農薬で輪作します。
畑は成田市十余三にあり、広さは二反。種まきから草とり、収穫まですべての作業に参加できます。 収穫したものは参加者全員で分けあいます。大豆も小麦粉(全粒粉)も、そのままで独特の甘味があり、味も格別ですが、それをどう工夫して食べるかも、大事な“食”だと思っています。うどん打ち、豆腐・納豆づくりなどの催しを通し、おいしい食べ方を探ります。参加費は年5000円です。 また、トラストの麦・大豆は在来種です。いま、あらゆる種が大企業に独占され、遺伝子組み換え作物が足元にしのびよっています。「農と食」のプロジェクトでは、トラストとあわせ、「自前の種市民ネットワーク」づくりにも取り組んでいます。
◇地域自立のエネルギー 三里塚名産サツマイモを貯蔵するイモ穴にヒントを得たエアコン施設を、実験村の拠点である木の根ペンションに設置、理論的可能性を立証しました。バイオエネルギーの獲得をめざしてヒマワリ栽培も始めました。種から油をとり、とりあえず野菜てんぷらでも、と話し合っています。ゆくゆくは農業機械を自前エネルギーで動かしたいと願っています。モノの循環の視点から地域自立を考える。地域に内在する再生エネルギーを引き出し自給を高めること、またエネルギーの裏の顔であるゴミを極力出さず、再生資源として活用することなどを追求しています。 |